小説の書き方

 小説家の数を増やすことを目的に作られたページです。私が小説を書く時に考えていることですが、実際には物語の作り方なのでマンガや映画にも使えるでしょう。コツさえつかめば物語を書くことは簡単です。ぜひ参考にしてください。

 1.主人公は何を欲しているのか


 水一杯でもいいから何かを欲しがらせろ、というのがシナリオでは大事だそうです。なので最初に考えるべきなのは起承転結や三幕構成ではなく、主人公が何を欲しているかです。
 いまちょうどAmazonプライムで見ている『ロード・オブ・ザ・リング』では主人公の『フロドが指輪を火山へ捨てに行く』という目標が提示されていて、それは三部作を貫く目標になっています。もちろん登場人物はフロド一人ではないし、旅の途中で色々なことがあるし、その時々で目標は変わりますが大目標の『フロドが指輪を捨てに行く』は変わらず、基本的に他の目標はそれに従属しています。
 物語の世界は超格差社会です。一人の、あるいは一つの目標のために全てを従属させるのです。物語全体を貫く目標はあくまでひとつ、その下にいくつかの目標がぶらさがっている。そういう形が良いでしょう。公平な目標は物語をあいまいにします。

2.どうやって目標を妨げるか


 何を目標にするのかが決まったら、次は何がそれを妨げるのかを考えます。例に出した『ロード・オブ・ザ・リング』ではもちろんフロドは何の障害もなく火山へは行けません。指輪を取り戻そうとするサウロンの追手が来たり、怪物のいる難所を越えたり、指輪を奪われることもあります。
 こうやって言語化すると分かりますが物語は目標を妨げる何かでできています。物語のコツは目標の設定→いかにそれを妨げるかなのです。憶える必要があるのはこれ一つだけで、他の事は些末なことです。これに気付けば作者のやる気とアイデアが続く限りは永遠に物語を続けることができます。
 え、じゃあなんで物語は終わるの? そういう疑問を持った人は次の起承転結へ

3.起承転結から三幕構成へ


 なぜ無限に続けられるはずの物語に終わりがあるのか。それは人が美しいと思う物語の形に決まりがあるから。一番有名なのは起承転結で、これは国語の授業でも習いますね。

起.物語の起こり
承.起の続き
転.物語の変転
結.物語の終結

 起承転結は漢詩由来の考え方だそうです。もし、まどろっこしいと感じた人がいたなら、それは正しい。現代の物語は三幕構成が主流で起承転結の流れで解説するなら

起.物語の起こり
転.物語の変転
結.物語の終結

となっています。プロット(あらすじ)の中心で物語全体に影響がある事件なり、変化なりが起きるのですね。探偵ものなら最初の容疑者が死んだり、犯人ではないことが分ったり、事件を追えなくなる何かが起こったりします。

 小説の書き方は上の三つだけです。ですが、言語化できるのはここまで、という意味なので上のことに縛られないようにしてください。あくまでこれは自転車の補助輪です。もしこれらのことが執筆の妨げに感じるようになれば躊躇なく捨ててください。

小説の書き方(些末なこと)

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