聖者の行進

生存回路

- 5月 12, 2019

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生存回路（kindleストア） 〈内容紹介〉
マンホールの穴に落ちると、そこは河童の国だった。私は賢者だった。「我らは危急存亡の時でございます。どうか、どうか我らをお救い下され」私は一体何者なのだろう。この世界は一体何なのだろう。太陽のない青空が私と大地を見下ろしていた。
生存回路冒頭試し読み
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生存回路はもう読んだよという人はこちらもどうぞ
『聖者の行進』リリース記事牛野小雪について＜刊行リスト＞
作者の牛野小雪です
助手でバイトのニア・タスマだぜ

前からこの時を狙ってたんだろう？
新刊と新年号、タイミングを合わせたわけだ。

はい

さっそくだけど、この『生存回路』って小説はどんな内容で、どんな意味があるんだ？

意味もなく、ただ存在している小説を書いてみました。

あのよぉ、嘘でもいいから一つぐらい効能付けた方がいいぞ肩こりが治るとか、恋人ができるとか、時給が上がるとかよ

効能なんてないですよ。薬じゃないんだから。

聞き方が悪かったよつまりこれは本だろ、読めば何かしらの知識を得られるわけだ。
この『生存回路』ってのを読めば、読者は何を知ることができるんだ？

何も知れないし、むしろ分からないことが増えていくでしょうね。読者が得るものは訳の分からない何か。

訳の分からない何かって何だよ。ちゃんと教えてくれなくちゃ困るぜ

分からないものを分からないまま書くのが新時代の文学なんですよ。だから新時代の読者も分からないものを分からないまま読む。
この本を読む者は一切の理解を捨てよ

地獄の入り口みたいな文句はいいんだよ
結局この『生存回路』ってのは何なんだ

これこれこうだから、こう。あれがああなって、こうなって、最後にはこうなる。あれにはこんな意味があって、これはこういう意味。そんな理屈が通用しない小説なんです。

・・・・ＯＫ
分かったよ。訳が分からないってことが分かった。

つまりこの小説は空っぽってことだ

そのとおり
何の意味もない
いや、間違いだろ

時代性がどうの、批評性がどうの。
そういうものにとらわれない小説を書いたんです。新時代はロマン主義が全ての分野を覆い尽くしますよ。

頭の中は個人のジユーって言うけど、ジコチューにな…